ISO/TC98 について
目的
ISO/TC98は構造物の設計の基本(Bases for design of structures)に関するISOを作成する専門委員会(Technical Committee : TC)です。
幹事国はポーランドが務めており、議長をJacek Szafran教授、国際幹事をMrs. Katarzyna Maciejcykが担当しています。
TC98の配下には3つの分科委員会(Sub Committee : SC)があり、構成は以下の通りです。
・SC1:Terminology and symbols / 用語と記号
・SC2:Reliability of structures / 構造物の信頼性
・SC3:Loads, forces and other actions / 荷重・外力及びその他の作用
SC3においては日本が幹事国を務めており、議長を東京大学の高田毅士名誉教授、国際幹事を建築・住宅国際機構が担当しています。
また、SC2においても免震構造物、SC3においては地盤基礎構造物と非構造部材のワーキンググループ(WG)の主査及び幹事を日本が担当しており、積極的に貢献しています。
進行中の会議
■国際会議(2024年7月現在)
TC98では以下の国際会議を開催しています。
TC | SC | WG | 名称 | 幹事国 |
98 | Bases for design of structures(構造物の設計の基本) | PKN(ポーランド) | ||
1 | Terminology and symbols(用語と記号) | SA(オーストラリア) | ||
2 | Reliability of structures(構造物の信頼性) |
PKN(ポーランド) | ||
13 | Design principles of seismically isolated structures (免震構造物の一般原則) |
JISC(日本) | ||
3 | Loads, forces and other actions(荷重・外力及びその他の作用) |
JISC(日本) | ||
1 | Snow loads(雪荷重) |
SN(ノルウェー) | ||
2 | Wind actions on structures(構造物への風作用) |
SCC(カナダ) | ||
AHG9 | Seismic actions on structures(構造物への地震作用) |
JISC(日本) | ||
10 | Seismic actions on geotechnical works(地盤基礎構造物への地震作用) |
JISC(日本) | ||
11 | Seismic actions on non structural components for building applications (非構造部材への地震作用) |
JISC(日本) |
備考 赤字は日本が幹事国となって活動しているSCやWGを示す。
■国内分科会(2024年7月現在)
TC98の国際会議に連動して、国内分科会を開催しています。
氏名 | 所属 | 国際会議での役割 | |
主査 | 高田 毅士 | 東京大学 名誉教授、国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構安全研究・防災支援部門リスク情報活用推進室 室長 | SC3議長 TC98, SC1, SC2 |
幹事 | 森 保宏 | 名古屋大学大学院 環境学研究科 都市環境学専攻 教授 |
TC98, SC1, SC2, SC3 |
委員 (五十音順) |
小豆畑達哉 | 国立研究開発法人建築研究所 国際地震工学センター シニアフェロー |
SC3, SC3/AHG9 主査 |
石山 祐二 | 北海道大学 名誉教授、 (株)NewsT研究所 代表取締役 |
TC98, SC1 SC2, SC3, SC3/WG11, SC3/AHG9 |
|
糸井 達哉 | 東京大学 大学院工学系研究科建築学専攻 准教授 | TC98, SC1, SC2, SC3, SC3/AHG9 | |
伊藤 弘 | 日本規格協会 標準化コンサルティングユニット フェロー | SC3/WG11主査 | |
奥田 泰雄 | 摂南大学 理工学部 建築学科 特任教授 |
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神田 順 | 東京大学 名誉教授 | TC98, SC3 | |
齊藤 大樹 | 豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系 教授 | SC2/WG13主査 | 新谷 耕平 | 株式会社日建設計 エンジニアリング部門 構造設計グループシニアダイレクター |
※鈴木 誠 | 千葉工業大学 教授(非常勤) | ||
高橋 徹 | 千葉大学大学院工学研究院 教授 | SC3/WG1 | ※富田 孝史 | 名古屋大学 減災連携研究センター 教授 |
楢府 龍雄 | 独立行政法人国際協力機構 テクニカルアドバイザー | ||
西嶋 一欽 | 京都大学防災研究所 気象・水象災害研究部門 耐風構造研究分野 准教授 |
SC3/WG2 | |
西田 明美 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 安全研究センター 研究主席 |
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※野津 厚 | 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所 地震防災研究領域 領域長 |
SC3, SC3/WG10 主査 | 平田 京子 | 日本女子大学 家政学部 住居学科 教授 |
三木 徳人 | 国土交通省 国土技術政策総合研究所 建築研究部 構造基準研究室 主任研究官 |
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三橋 博三 | 東北大学 名誉教授 | ||
※横田 弘 | 北海道大学 名誉教授 一般財団法人沿岸技術研究センター参与 |
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協力委員 | 林 直人 | 国土交通省 住宅局 総務課 国際室 建築技術政策分析官 | |
若林 究 | 経済産業省 産業技術環境局 国際標準課 産業標準専門職(建築担当) |
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事務局 | 飯島 亮 | 一般社団法人 建築・住宅国際機構(IIBH) 研究員 | SC3国際幹事 ,SC2/WG13幹事, |
備考 1. 国際会議での役割において特記無き場合は、委員(TC, SCの場合)、エキスパート(WGの場合)を示す。
2. ※ は、土木学会委員を示す。
■国内ワーキンググループ(2024年7月現在)
TC98の国際会議で活動しているワーキンググループ(WG)に連動して、下記の国内WGを開催しています。
TC | SC | WG | 名称 |
98 | 2 | 13 | ISO23618 免震構造物の一般原則 | 3 | 1 | ISO4355 雪荷重 | 2 | ISO4354 構造物への風作用 | AHG9 | ISO3010 構造物への地震作用 | 10 | ISO23469 地盤基礎構造物への地震作用 | 11 | ISO13033 非構造部材への地震作用 |
また、津波荷重に対する国際規格を開発するために、国内限定の津波WG(2023年6月)を設置して、活動しています。
■JIS作成委員会
名称 |
現在、作成対象のJIS無し |
実績
■近年日本が貢献したISO
規格番号 | 和名 | 英語名 |
ISO 3898 | 表記- 一般記号 | Names and symbols of physical quantities and generic quantities |
ISO 2394 | 構造物の信頼性に関する一般原則 | General principles on reliability for structures |
ISO 12491 | 建築材料および部位の品質管理のための統計的手法 | Statistical methods for quality control of building materials and components |
ISO 13822 | 既存構造物の評価 | Assessment of existing structures |
ISO 22111 | 一般的要求事項 | General requirements |
ISO 10137 | 振動に対する建物の使用性 | Serviceability of buildings and walkways against vibrations |
ISO 13823 | 耐久性に関する構造設計の一般原則 | General principles on the design of structures for durability |
ISO 13824 | 構造物のリスク評価における一般的原則 | General principles on risk assessment of systems involving structures |
ISO 23681 | 免震構造物の一般原則 | General principles on seismically isolated structures |
ISO 4355 | 屋根の雪荷重の決定 | Determination of snow loads on roofs |
ISO 4354 | 構造物への風作用 | Wind actions on structures |
ISO 11697 | 粉粒体による作用 | Loads due to bulk materials |
ISO 12494 | 構造物への氷結荷重 | Atmospheric icing of structures |
ISO 3010 | 構造物への地震作用 | Seismic actions on structures |
ISO 23469 | 地盤基礎構造物への地震作用 | Seismic actions for designing geotechnical works |
ISO 21650 | 海岸構造物に対する波と流れの作用 | Actions from waves and currents on coastal structures |
ISO 13033 | 非構造部材への地震作用 | Seismic actions on nonstructural components for building applications |
備考 赤字は日本が幹事国として参加したISOを示す。